過去03

僕が通っていた中学校では、女生徒はみんな紺色のセーラー服を着ていた。

ある温かい日の午後、美術の授業時間に、僕は木版画を彫る作業に退屈して椅子に座った。ふと前を見ると、ある女の子が腕まくりをし、前かがみになって、一生懸命彫刻刃で版画板を削っていた。

僕は彼女のたるんでいるセーラー服の襟もとに目をやった。そしてもう少し彼女のセーラー服の中をよく見たいと思い、角度を変えて座った。するとそのセーラー服の中では、白い下着のシャツの襟がたるんでいて、更にその中に目を向けると、彼女の平らな胸と薄茶色の乳首がはっきりと見えた。

それは僕にとって胸の高鳴るような体験だった。僕は、他に女生徒が前かがみになる状況はどんな時だろうと考えてみた。例えば、掃除の時間、雑巾で低い場所を拭いたり、短いほうきで床を掃いたりする時。授業が終わって、彼女たちが机の中に教科書をしまおうとしたり、何かを取り出そうとする時。彼女たちはよく前かがみになる、と僕は思った。

実際その後、掃除の時間には、僕はいろんな女の子の乳首を見ることができた。今も彼女たちの名前と一人一人がどんな乳首をしていたかを思い出せる。でもほとんどの女の子の胸は、乳輪の部分だけがふっくらと膨張し始めていて、少し黒ずんだ乳首をしていた。そしてその子たちはまだブラジャーも着けていなかった。

 

その当時、クラスにヒトミという子がいて、僕は彼女が学校で一番かわいいと思っていた。

彼女は真っ白な肌をしていて、ふっくらとした唇がほのかなピンク色で、髪は産まれつき色素が薄いらしく、少し茶色がかっていた。体育の時間、彼女がブルマー姿の時には、僕はいつもそのブルマーから伸びる白く細い足を、舐めまわすように見つめていた。

僕はセーラー服の襟もとから、女の子の乳首を覗き見ることができるのを知ってから、ヒトミが前かがみになり、彼女の服の襟がたるむ瞬間を捕えようと、ずっと彼女の動きに注目していた。そしてある朝、それは起こった。

僕は教室の窓辺に背中をもたせ掛け、日なたぼっこをしていると、彼女がすぐ近くに立って、机の上に覆い被さるように前かがみになり、ノートに何か書き込んでいるのに気付いた。僕は少し背伸びをするようにして、彼女のたるんだセーラー服の襟の中を、見下ろすように覗きこんだ。

彼女の白い首筋から、腹部にかけての全てが見えた。彼女は本当に雪のように白い肌をしていて、それは窓から射し込む朝日を反射し、その肌の表面に生える細かな産毛は、まばゆく光り輝いていた。そして僕は彼女のかすかな胸の膨らみの先端に乳首を探した。でもそれはなかなか見つからなかった。僕は何度も微妙に身体の角度をずらし、彼女の乳首があるはずの場所を目で探し続けた。

そしてしばらくすると僕は気付いた。それは僕のすぐ目の前にあったのだ。ただ彼女の肌はあまりにも白く、乳首はほとんどその肌と同じ色をしていた為、すぐに分からなかったのだ。それは僕が今までに見た、いちばん色の薄い、日本人の女の子の乳首だった。

 

クラスにはもうひとり、僕が少しかわいいと思う女の子がいた。彼女はマユミといった。

彼女は鼻筋が通った顔をしていて、目や唇が細く、鋭い印象があり、黒く艶やかで真っ直ぐな髪を短めに切っていた。彼女の顔には少しニキビがあったけれど、肌には艶と張りがあり、それは健康的な肌色をしていた。

僕は特別彼女を目で追っていたわけではなかったけれど、彼女は音楽の時間、僕の少し斜め前に座っていて、何かと目に付きやすかった。そして偶然、僕は音楽の授業時間中に、彼女が立ちあがり、後ろを向いて前かがみになると、自分の座っていた椅子の上に、縦笛や教科書を丁寧に置いているのに気付いた。その時、彼女のセーラー服の襟がたるんで、その中にある乳首が見えた。彼女の乳首は、その綺麗な顔立ちにもかかわらず、墨のようにドス黒かった。それは少し離れた位置からでも、はっきりと乳首だと断定できるほど、彼女の肌の色と対照的で、濃い色をしていた。

僕は彼女の乳首を見つめながら、刺激しすぎたり、もてあそびすぎた乳首は黒くなる、と誰かが言っていたのを思い出した。それ以来僕は、彼女はあんなに真面目でしっかりした顔をしながら、自分の乳首をいつももてあそんで、性的な悦びに浸っているのだろうかと、彼女を見るたびに想い巡らした。

 

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